俺が思うフラワードリッパーの魅力
結論
先に結論を書くと、このドリッパーは淹れる人の意図を反映しやすい器具です。
フラワードリッパーは落ち切りがやや早く、注ぎ方やレシピの意図をそのまま味に反映しやすい印象がありました。
味を自分で組み立てたい人や、注ぎでコントロールしたい人には相性が良さそうです。
逆に、朝にあまり考えず一気に淹れたい人や、ある程度器具側に安定させてもらいたい人には、少し向きにくいかもしれません。
速くお湯が抜けるけど、ただ薄いわけではないという点がこのドリッパーの面白さで、考えて淹れる人ほど楽しみやすい器具だと思います。
このドリッパーについて
CAFECは、大分県に本社を置く三洋産業のオリジナルブランドです。
コーヒー関連器具を幅広く製造しています。
今回紹介するフラワードリッパーは、そんなCAFECが展開している樹脂製の円錐型ドリッパーです。
記事では1杯用の実測を中心に見ていますが、製品としては1杯用と2〜4杯用があり、どちらも同じフラワードリッパーの考え方で作られています。
名前の通り花びらのような外観をしていて、見た目にも特徴のあるドリッパーです。
このドリッパーのおもしろいところは、見た目だけではなく、リブの考え方にもあります。
ドリッパー内部の表面をくり抜くという革新的なアイデアで、ペーパーとドリッパーの間に十分な空気層を作り、維持することを可能にしたフラワードリッパー。このフラワーリブによって、コーヒー粉は十分に膨らむことができ、コーヒー粉の深い濾過層が形成されるのです。
粉の膨らみを邪魔しにくい構造で、ネルドリップのように粉が自然にふくらみながら抽出が進む感覚を、ペーパードリップでもできるだけ活かそうとしているドリッパーと捉えているんですね。
味の特徴
抽出してみると、味の印象は単調ではなく、立体感のある味を作りやすいです。
有名なHario V60も同じ円錐型ですが、円錐型のドリッパーは一般的に粉の層に奥行きが出やすく、味が一色でまとまるというより、酸味・甘さ・後味に変化や重なりが出やすいと感じています。
フラワードリッパーもその傾向があり、ただ軽い、ただ濃いというより、味わいの中に複雑さや立体感が出やすい印象でした。
相性が良さそうなのは浅煎り〜中煎り寄りで、味の変化や立体感を見たい豆とは相性が良さそうです。一方で、何も考えずにざっくり抽出したい人には、このドリッパーの良さが少し見えにくい可能性があります。
一言でまとめると、
「円錐型らしい複雑さとグラデーションを持ちながら、入れ手の意志を反映しやすいドリッパー」
というタイプのドリッパーです。
V60との比較

今回は、同じ豆・同じ条件でV60ドリッパーと比較しました。
比較条件
【使用した豆】マイルドカルディ
【焙煎度】中煎り
【挽き目】コマンダンテ25クリック
【粉量】14g
【湯量】210ml
【湯温】90℃
【フィルター】アバカフィルター
【レシピ】ratioは1:15、粉の3倍の42ml蒸らし、30秒になったらで残りのお湯を中心に静かに注ぐ
比較した印象
今回の比較では、フラワードリッパーの注ぎ落ち切りは1分10秒、V60は1分25秒でした。
落ち切りだけを見ると、フラワードリッパーのほうがやや速く、一般的にはそのぶん薄くなりそうにも見えます。
ただ、今回の実測ではTDS(コーヒーの濃さ)はむしろフラワードリッパーのほうが高く出ました。
【V60】0.79
【フラワー】1.01
この点は今回の比較でかなり意外でした。
粉の膨らみを邪魔しにくい構造によって、お湯が粉層全体に行き渡りやすかったのかなと思っています。
落ちが早いのに薄い感じではなく、むしろ短時間でも必要な成分をしっかり取りやすかったのだとすると、このドリッパーの設計思想ともつながって見えます。
V60が比較的安定しやすい器具だとすると、このドリッパーは味の立体感や複雑さを自分で作っていきやすい器具という印象です。
注ぎ手の意図がそのまま結果に出やすいのはフラワードリッパーの面白いところだと思います。
V60との比較

V60を真ん中の3とした時の比較です。
【ドリップの速さ】5
【味の再現性】2
【抽出効率(TDS)】4
【扱いやすさ】3
【汎用性】4
流速の速さと味づくりの自由度の高さが見えやすいタイプだと思いました。
一方で、再現性の面では、少し使い手を選ぶ印象もあります。
おすすめの淹れ方
まずは通常のレシピから試すのがおすすめです。
基本レシピ
【粉量】14g
【湯量】210ml
【挽き目】やや細かめ
【湯温】90℃前後
【注湯回数】蒸らし+分割注湯
【目標抽出時間】2分前後〜2分半くらいを目安に調整
このドリッパーは落ち切りが早いので、雑に一気に入れるよりも、やや細かめに挽いて最初にしっかりと成分を取り出して狙った濃度まで持っていくほうが相性が良さそうです。
アレンジするなら
【甘さを出したいときの調整】挽き目を少し細かくし、注湯をやや分けて成分をしっかり取る
【透明感を出したいときの調整】湯温を少し下げるか、攪拌を抑えて落ちを優先する
【ボディを出したいときの調整】粉を細かめにし、撹拌を強くする
【抽出を安定させたいときの調整】抽出タイミングは固定して、粉のひきめだけを変えるようにする
このドリッパーは器具側が味を決めるというより、注ぎ方やレシピで方向性を調整しやすいのが長所だと思っています。
メリット・デメリット
実際に使ってみて感じたメリットは、まず入れ手の意図を反映しやすいことです。
さらに、落ち切りが早いが薄くなりにくい可能性があること、円錐型らしい複雑さや立体感を出しやすいことも魅力でした。
一方で、デメリットとしては何も考えずに淹れても自動的にまとまるタイプではないことがあります。
また、速く抜けるぶん、レシピや挽き目を詰めずに使うと少し薄く見えやすい可能性もあるので、すでに安定感重視の器具を好んで使っている人には少し好みが分かれるかもしれません。
まとめ
フラワードリッパーは、落ち切りの速さと、味づくりの自由度の高さが魅力のドリッパーです。
円錐型らしい複雑さや立体感を出しやすく、注ぎ方やレシピの意図を味に反映しやすいのも面白いところでした。
自分で味を組み立てながらコーヒーを淹れたい人にとって、試す価値のある器具だと思います。
これからも使い続けます。