2025年10月24日

【備忘録】JCTC(ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ)2025の準決勝に出てきた

  

東京ビッグサイトで行われたJCTC(ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ)2025準決勝に参加してきました!
どういった大会なのか、アマチュアである私がどのようにトレーニングしたのかについて備忘録を残します。

JCTCとは?

JCTCの競技内容

カップ テイスターズ チャンピオンシップでは選手ごとに8の問題が出題されます。この問題ごとに3つのカップが置かれており、3つのカップの内1つだけが違う味のコーヒーが入っております。この違う味のカップを「カッピング」と呼ばれる手法を使って当てるのがカップ テイスターズ チャンピオンシップ競技です。
競技は各設問1分ずつ、計8分以内に正解した数が一番多かった選手が優勝となりますが、正解数が同じ場合は全問解答するまでにかかった時間が一番短い方が優勝となります。

日本スペシャルティコーヒー協会

簡単にいうとコーヒーの味当て大会です。
優勝者は日本代表として世界大会へ参加することができます。

JCTCの魅力

スプーン一本あれば参加できることです!
ほとんどの参加者はコーヒー関係の人ですが、そうでない人でも勝ち上がれるチャンスがあるのがこの大会の魅力です。
筆者も普段は学生をしています。

勝敗が一目瞭然なのも魅力の一つです!
正解のカップの裏には目印が貼ってあり、結果発表の時は観客も一緒にめちゃめちゃ盛り上がります。

予選・決勝戦の流れ

JCTCは予選と準決勝・決勝に日程が分かれています。

8月:予選

8月20日に予選がありました。
各会場(東日本地区および西日本地区)各午前の部、午後の部の各8ブロックから各上位2名の合計16名を絞り込みます。
224名から16名に一気に絞り込まれます。

各ブロックから28人のうち上位2名しか準決勝に行けないのでかなり熾烈な戦いでした。
全問正解しトップで予選通過することができました。
会場によっては全問正解が何人も出ているところもあったりして組み合わせ運もあるなと感じます。
予選は関係者以外の観覧はできませんでした。

9月:準決勝・決勝

9月26日に東京ビッグサイトにて準決勝・決勝が行われました。
16人のうち上位の4人が決勝戦に勝ち上がります。
2025年度は決勝に進出するには、7問以上は正解しないといけませんでした。
私は5問正解と準決勝で敗退という結果になりました。

他の準決勝参加者の話を聞いていると、準決勝進出経験者が割といるなという印象でした。
決勝進出者をみても分かるように、競技に一部運の要素が絡みながらも、しっかりと実力者は勝ち上がるようになっていることを強く実感しました。

JCTCに向けた味覚のトレーニング方法

いろんな種類の豆を買いまくって練習している様子

プロとして活躍している方に比べ、そうでない我々一般人は練習環境という面では劣ります。
実際の競技のように24カップも用意して練習できません。

そこで私は以下のように練習していました。

練習方法

用意するもの

  • ターンテーブル
  • カッピングスプーン
  • 紙コップ

一番重要なのはどんな豆を用意するかです。
お気に入りのお店で、シングルオリジンの浅煎りの豆をたくさん買ってトレーニングしました。
同じ国の同じ精製方法、同じ農園の違う精製方法の豆など、ある程度味の傾向が似ている豆でトレーニングしたのが良かったのかなと思っています。
いろいろな豆が少量で試せるテイスティングセットを購入していました。

1人でトレーニングしていた(泣)ので、紙コップをシャッフルするためにターンテーブルを使ってました。
対称な位置にコップを置いて目を瞑って何周かさせるとシャッフルできます。
我ながらいいアイデアだと思っています。
私が購入して使っていたものを貼っておきます。

紙コップは100均でいっぱい入っているのを使っていました。
コップが熱くなるので、耐熱のものを買うと良いです。

カッピングスプーンは正直スプーンであればなんでもいいです。
自分は奮発してWilliam Wright社のカッピングスプーンを使っています。
Cup of Excellenceの公式スプーンとしても採用されているそうです。

ターンテーブルにコップを置いて練習している様子

手順

  1. 使用する粉の種類だけ紙カップを用意する
  2. 紙カップの裏になんの豆なのかを記載する
  3. 普段のドリップかやや粗めに豆10gをひく
  4. 沸騰したお湯160mlを注ぐ
  5. 4分経ったら撹拌する
  6. 温度が落ち着くまで待つ(湯気がギリ見えるか見えないくらいまで)
  7. 何回か液体を飲んで味を覚える
  8. ターンテーブルでシャッフルする
  9. 液体がなんなのか当てる
  10. 気が済むまで8 9を繰り返す

3−6は一般的なカッピングと同じやり方です。
粉を浸漬させていると時間が経つとどんどん液体が濃くなっていってしまうので、ある程度の時間内で集中して行う必要があります。
ちなみに大会規約によると大会の際はバッチブリューでまとめて抽出されるようです。

写真では5種類も使っていますが、だいたい2−3種類で練習していました。

簡単に当てられるようになってきたら、少しレベルアップして混ぜて練習していました。
AとBの液体のうち、A:B=9:1の液体A’とA:B=1:9の液体B’のようにだんだん比率を変えながら混ぜていき、当てるという練習もやっていました。
このやり方は畠山さんのYouTubeを拝見し、取り入れさせてもらいました。

味をとるときに意識していたこと

  • 香り
  • 酸味

自分が味をとるときに特に意識していたのは液体の香りと酸の強さです。
大会では一つの液体を味わっている時間はあまりないのと、たくさんの種類の液体を飲むので味がわからなくなっていくので、違いを感じやすい香りと酸の強さを意識していました。
ただ、これは人によって何を意識するかは違うと思っています。

その他役に立ったこと

  • 味の濃いものは封印
  • 模擬セミナーに参加する

私は味の濃い次郎ラーメンが大好きですが、大会前は流石に良くない気がするので封印していました。
他にもあまり塩辛いものは食べないように意識していました。

模擬セミナーは毎年やっているかはわかりませんが、機会があれば是非参加すべきです。
大会に参加したことがない人は出題傾向がわかり良い勉強になります。
模擬セミナーに参加していなかったら初挑戦で予選突破はできていなかったと思っています。

作戦

  • どの順番でカップを取っていくのか
  • どのタイミングで水を飲むのか
  • 液体を飲むのか吐き出すのか
  • 競技当日にご飯は食べるのか
  • 正確さ重視なのかタイム重視なのか

順位は正解数と終了までのタイムで決まります。
自分なりにこのあたりの作戦は練ってから大会に臨むと良いです。

感想

シンプルなルールだが作戦の立てようがあり面白い大会だと思いました。
スプーン一本あれば参加できて、誰にでもチャンスがあるので、プロアマ問わずいろんな人に参加してほしいと思いました。

一方で、決勝に残っている人との実力の差を明確に感じました。
カップを取る速さ、正確性は素直に尊敬です。

日々のコーヒーや食事がより味わえるようになりました。
コーヒーの味をとるためにトレーニングしていくとより味を繊細に感じられるようになり、日々の食事が美味しく、味わって食べられるようになった気がします。

JCTCに参加してめちゃくちゃいい経験になりました。
この記事を通じてJCTCの魅力が少しでも伝われば幸いです。