2024年6月15日

コーヒーの味わいを数値で知る|TDS(濃度)と収率とは?

  

TDSと収率を知るメリット

数値でコーヒーの状態がわかるので、味覚のブレを補正することができます。

TDSと収率にはある程度適正値が決まっているので、コーヒーが適正に抽出されているのかどうか判断することができます。

数値を見て味を調整することにも役立てることができます。

TDSとは

TDS(Total Dissolved Solids)とは、総溶解固形分のことです。液体中にどれだけ水以外の成分が溶けているかということを表します。単位は%で表します。

収率とは

コーヒー豆からどれだけの成分が抽出できたのかを表します。TDSと同様に単位は%で表します。

計算方法

ここでは計算方法について示します。TDSの計算にはBRIXというものが、収率の計算にはTDSが必要となるので、BRIXから説明していきます。

BRIXとは

BRIXとは、ショ糖がどのくらい液体中に溶けているのかを表したものです。単位は%です。

例えば、100gの溶液中に30gのショ糖が溶けている場合、BRIX=30%となります。

BRIXを測定する際には光の屈折を利用しています。一般的にはBRIX=糖度とされていますが、正確には糖度ではなく可溶性固形成分(水に溶けるすべての成分)を測定しています。ショ糖の場合は溶解量と屈折率が比例するのですが、そうではない固体成分も存在します。

そこで、コーヒーの濃度を測定するのに特化した値がTDSです。

TDSの算出方法

TDSを算出するには、計測されたBRIX値に0.85をかけることで変換することができます[1]。

収率の算出方法

収率の計算方法は以下の式になります。

例えば、抽出量=150g、TDS=1.48%、使用した豆の量=10gの場合の計算結果は以下のようになります。

収率=150g × 1.48% ÷ 100 ÷10g × 100= 22.2%

TDSと収率の適正値

TDSの適正値は、「1.15~1.35%」とされています[2]。

収率の適正値は、「18~22%」とされています[2]。

ただし、この適正値はあくまで目安です。適正値に入っていても美味しくないと感じることもあるかもしれません。そういったときは、数値を見ながら調節してみるのが良いでしょう。

味の傾向

TDSと収率には以下のような関係があります[2]。

TDS(コーヒーの濃度)が高い:ボディ重
TDS(コーヒーの濃度)が低い:ボディ軽

収率が高い:苦味出やすい
収率が低い:酸味でやすい

参考にさせていただいたサイト

[1] https://homegroundcoffeeroasters.com/blogs/journals/from-brix-to-tds

[2] https://mountaincity.com/images/SCAA_brew_chart.jpg